「なぜなぜ君」と「編集長」

自分の備忘録も兼ねてツラツラと書いてます。。。

学校の怖い話「ケイコとサオリ」

「雨が5日続いた最終日である金曜日、北校舎の3階にあるトイレの鏡を午後6時に見ると、鏡の中へ連れ去られてしまう」という怪談の噂が学校中に広がっていました。

 

小学5年生のケイコとサオリは、学校で一番仲の良い友達でした。ある金曜日、サオリは急ぎ足で帰宅した際、教室に宿題を忘れてしまいました。放課後に気づいたサオリは、ケイコを誘って忘れ物を取りに行くことにしました。しかし、職員室の前を通って先生に見つかるのを避けたかったので、南校舎を避けて北校舎から向かうことに決めました。

 

その学校は、南校舎と北校舎に分かれており、それぞれ異なる目的の教室が配置されていました。南校舎には一階に職員室や保健室、下駄箱があり、二階には1年生から3年生の教室、三階には4年生から6年生の教室があったのです。一方、北校舎には音楽室や理科室、美術室などが設けられていました。南校舎と北校舎は、中央に渡り廊下でつながっていました。

 

その頃、サオリとケイコはまだ怖い噂を知りませんでした。夜の学校に入ることが恐ろしいと感じたケイコは、運動場でサオリの帰りを待つことに決めました。そして、サオリは一人で忘れ物を取りに行くことになりました。

 

しかし、三十分程過ぎてもサオリが戻らないことに不安を感じたケイコは、職員室へ行き先生に相談しました。結局、警察にも連絡し、サオリを捜索することになりましたが、どこにも行方が分からず、サオリはその日から行方不明になってしまったのです。

 

ケイコは一緒に行かなかったことを悔い、不安と後ろめたさから学校へ行くことができなくなってしまいました。サオリの消失は、彼女の心に深い傷を残していたのです。

 

そして、1年ほど経ったある日、ケイコの親は環境を変えることを決意し、別の地域に引っ越すことになりました。ケイコは新しい学校に転校することになりましたが、心にはまだサオリのことが残っていました。

 

引っ越しをする前日、学校に残していた荷物を取りに行くことになったケイコは、放課後の渡り廊下でサオリに似た子を見かけます。

 

驚きと興味から、ケイコはその子を追いかけることにしました。校舎内を探し回るうちに、北校舎の3階のトイレの鏡が光っているのに気づきます。そして、トイレの中に誰かが入っていくのを目撃したのです。

 

「サオリ!」とケイコは走ってそのトイレに向かい、鏡を覗き込んでしまいました。

 

鏡の中には、自分ではない誰かの姿が映っていて、その姿は次第にサオリの顔に変わっていきます。そして、鏡から伸びてくる手がケイコを鏡の中に引き込もうとしてきます。

 

恐怖に襲われたケイコは気を失ってしまいました。

 



 

ケイコは目を覚ますと、自分のベットの上にいます。不思議な感覚が残る中、朝ご飯を食べて学校へ向かうことにします。教室にはいつもどおりサオリがいますが、ケイコは不安を感じつつも、授業に参加します。

 

しかし、その小学校には一つの校則がありました。

 

「雨が5日続いた最終日である金曜日、北校舎の3階のトイレの鏡を午後6時に見に行かなければならない」というものでした。。。

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